
先にRAFを観に行ったうちの両親から「のり浜の作品が良かった」と聞いていたので一番楽しみにしていたこの場所。
草間彌生さんの作品のある御番所公園から車で10分足らずで到着しました。
駐車場に車を停めて「ヤマビルに注意」という言葉におののきながら虫除けスプレーをかけて、いざエントリー。
この感じからも、のり浜が簡単に行ける場所では無いというのが伝わるかと思います。そう、山道を15分ほどおりて浜へ向かいます。
連日、雨が続いていたので足元はかなりのぬかるみでデンジャラスゾーンの連続でした。

滑らないように気をつけてくだるくだる。

振り返ると結構な勾配。

途中、草間彌生さんの作品かと思うような野生のナニカ。不気味ポップしてますね。

橋だって渡ります。
滝も横切ります。
こんな道をアドベンチャー気分で歩いていたら
波の音がひときわ大きくなりました。
海だ!
思わず歩く速度が速くなる。
比例して私の膝がカクカクと笑い始める。
日頃の運動不足を実感する。
そして、とうとう「のり浜」に到着しました。
これが、
島袋道浩さんの作品「起こす」です。
え?どれが作品なのって?
この立てられた
流木の一本一本が作品です。
倒れている流木を起こすこと
それが被災した場所を「興す」ことであり
Rebornなのだと感じさせられました。
この浜にいるととても清々しい気持ちになって
スピリチュアルとか感じない私でも
満ち足りたエネルギーが感じられるようで
一種のパワースポットのようだと思わずにはいられません。
周りを見渡せば、滝が流れ落ちてきていて
真水と海水が交わっている
岩肌の隙間からも生命を感じさせる植物が
力強く生えていて、目の前には海。
そして、おこされた流木の
物言わぬエネルギー。
このエネルギーはのり浜全体を
神秘的な空気にもしていました。
振り返ってみると
この浜におりてくるサバイバルな道も
幻想的に美しいこの作品に出会うために
自然界があつらえてくれた道だったと感じられるほど
この場所は心に語りかける。
そういう場所を感じ選んだ作者の島袋さんの感性に
感動しました。
RAFがなぜ、牡鹿半島を主な舞台にしたのか
その理由がこの場所に来てわかった気がします。
原始的で野性的、そして雄大かつ神秘的な牡鹿半島の自然。
風景も作品の一部になり、私たちもが作品の一部になる。
雨が降れば雨のアートを、太陽が照りつければ太陽のアートを。
それを成し得る場所がここ牡鹿半島だったのだと
ストンと胸に落ちました。
牡鹿半島でRAFを鑑賞する際は
動きやすい服装と靴を履いて
ぜひ、のり浜まで足をのばしてみてくださいね。